ゲンキンだから、たくさん読んでもらっているベトナムの話(※)の続きをしましょう。
※
ひとまず、昨日食べたタイ料理の話から。
辛いものは好きだが、弱い。弱いのに、米粒一つ残さないという幼少より叩き込まれた精神から、「この唐辛子ならいけそう」とたかを括って、全然いけませんでした、という経験をもう89回している。
はたして昨日も、機嫌良くカレーを食べ進めるうち「この唐辛子はふにゃふにゃ→辛味は抜けている」という完全に間違った推論に達し、半分ほど口に入れ、噛み、飲み込み、喉が火事になった。
馬鹿、
なのである。
帰ってから少し吐き気すら催し、もう唐辛子を甘く見ることはしないと誓った。
さて、これは、ベトナムで食べたフォーだ。
聡明な読者の皆さまにおかれましては何の話をしたいかお気づきのことかと思いますが、
この薬味。
「緑→優しい色→辛くない」「青唐辛子は青→これは違う」という世間知らずな推論プロセスを経てこれを食したところ、口内のすべての細胞が拒否反応を示し、私は立ち上がって遠くにいた店員に駆け寄り、「WATER!!WATER!!!」とほとんど泣きながら懇願した。
簡単な英語でよかった。
あとから恥ずかしくなって、too spicy for meなどと笑って弁明したが、「そうなんですね」といったぐあいに曖昧に笑い返されて墓穴を掘った。
覚悟はしていたが、水の代金を支払うことになって、「これが外国。」とすでに半分以下になった500mlペットボトルを握りしめながらバックパッカーレベル1の感想を抱いた。
それと、私はパクチーはおいしく食べられるのだが、パクチーではないなんらかの「草」が大量に載せられているのには閉口した。
このフォーはマシな方で、
こちらのブンチャー。
これがベトナムに着いて初めてのご飯だったので、食べ物用なのかよく分からないカゴに食べ物なのかよく分からない草がどっさと入れられて出されたときは結構、帰りの飛行機を取り直そうかと思った。
どこに何をどうやって食べればいいのかよく分からないし。
一応、液体の小さな皿に、麺を一口ずつつけて、たまに草の方も食べるというスタイルに落ち着いたのだが、ベトナムの草=パクチーだと思って臨んだら、昔ツツジを吸ったりキイチゴを摘んで食べたりしていた頃のことを鮮明に思い出すような、「野草」の味がしたので戦慄した。
今になって少し調べたところ、ドクダミか、オリエンタルバジルというハーブの可能性が高い。
ドクダミ…ってなんかエキスとかじゃなくて直でいくこともあるんだ……へえ………そうなんだ………
私はウサギになったんだと思いながら無心で食べ、小学校で飼っていたウサギの餌が給食で出たニンジンのヘタだったり皮だったりしたのはやっぱり虐待だったんじゃないかと思いを馳せた。
結局、出されたものは食べきる、の教えを少し破ることになったが、この草を食べきったら、お腹を壊すか、本当にウサギになるか、していたのではないだろうか。
日本人は美しく食べるなぁと思われたくてなるだけ頑張ったが、食べないこともまた、勇気なのである……
たぶん、続きます。