間ヒロの週末丁寧連載

ズボラ連載という一言矛盾を脱し、週一の丁寧を目指しています

妹と本棚

妹の部屋に入ったら、西陽よけのぶあついカーテンがぶわりぶわりと春の風に吹かれていた。足元にぬるい風とオレンジの光が届く。いい部屋だと思った。

机の上の小さな棚に、国語辞典と和英辞書が立てかけてあり、その上に古い文庫が4冊、積み重なっていた。辞書の装丁が美しく、夕陽色の部屋のなかで一際、輝いている。

一番上のものだけ中を確認させてもらうと、姉や私の部屋にあったこともある小説だった。この作家は、母のお気に入りなのだ。かなりの作品数のはずだが、妹はすべて読破し新刊まで追っているらしい。私も嫌いではないが、お気に入りとまではいかない。暗いのだ。往々にして人が死ぬ。私の棚にも1冊置いているが、それはこの作家には異色の、光のような小説である。

 

懐かしいような思いに浸っていると、ふと棚の下段に置かれたコスメケースに目がいった。お馴染みの3段ケースで、私も最近買い足したものだ。我々姉妹はコスメにあまり興味がないが、一通りは揃えている。どれ、とそろりと開けてみると、まあ私と持っているものが似ていた。正確に言うと、妹の年齢だった頃の私だ。ファンデーションを持っていないのにスティックのハイライトを入れているし、リップだけは大量だし、唯一、高そうな保湿クリームが入っていたのは明確な違いだ。彼女は母に似て乾燥肌だ。

 

自室に戻ると、部屋がぜんたいに白かった。私の部屋は東向きだから、正午までがゴールデンタイムなのだろう。なぜ未然形なのか?今日目が覚めたのは、正午を少し過ぎた頃だった。宝の持ち腐れである。昨日4時まで漫画を読んでいたのがいけなかった。(しかも読んだことあるやつ)

 

部屋の3面に本棚が散らばっておりごちゃついているが、私にはこれが落ち着く。

特別にわたしの本棚の一部を見せてあげよう。

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う〜ん、良い。本屋の良い部分。

文庫とマンガは別の棚なので、また機会があれば見せてあげます。

 

これから忙しくなるので連載を休止しようとアプリを開けて、そのまま書いてしまった。気ままに、ね。