みなさんはこのクッキーを知っていますか?
今日はそこにあったかわいいショッパーを背景にしてみた そこにあるな 片付けろ
最近突如スーパーで見かけるようになり、頭を光で殴られたような気がした。めちゃくちゃ懐かしい。昔よく母が買ってくれていたクッキーだ。いつからか見なくなっていた。
金のシールが特徴的な高級感ある黒いパッケージに、これでもかというくらい明瞭な三種のクッキーの姿が、少しぷっくりと浮かび上がっている。
竹取物語の一節に、「ある人の毛の穴さへ見ゆるほどなり」という明るさに対する衝撃的な表現があったと記憶しているが、そんな感じ。頑張れば分子レベルで見えそうなくらい、"寄り"の写真である。
しかしクッキー自体の造形は不揃いで、繊細よりむしろ無骨な印象を与える。
この時点で、この会社がこのクッキーの味によほどの自信と矜持を持っていることが窺えるが、驚くのはまだ早い。
右下の不自然ともいえる位置に、これまた無骨な「おいしい」の4文字が見える。「おいしいアーモンドクッキー」でなく、「アーモンドクッキー おいしい」、、だと?
なんてへんな会社だ。
一体、どこのなんという会社だろう。好奇心に掻き立てられ、あわあわと販売者名を見ると、なんということだろう。
「株式会社 おいしい」
まじか。
このフォントも、たまたま選んだフォントじゃなく、社名のフォントだったのね。
とにかく、すごい自信。
またいつ見られなくなるかも分からないので、その黒に吸い込まれるように買って帰った。今日はブルボンは諦めだ。背に腹はかえられない。
私の前から姿を消していた空白の10年ほど、彼らが何をしていたのか気になるが、会社のサイトもなく、このクッキーに魅入られて会社の正体を突き止めようとせんいくつかの個人ブログからも、吸収合併があったらしいという程度のことしか分からなかった。
まあ過ぎたことはいいか。
帰るなりそそくさと開封し、また軽度に頭を殴られた。
そうそう!この個包装!
恥じらいのある、いいデザインだ。
ただの自信家じゃないことが伝わってくる。
昔はココアばかり食べていた気がするけど、いまはめちゃくちゃ「ココ アマンド」の気分だった。大人になったと捉えていいのだろうか。
、
う、うまい!
これが温故知新か。違うかも。
結局、3種類とも食べてしまった。
どれもバターをしっかり感じたし、「バターアーモンド」のミルクの濃さには特筆すべきものがあった。
この記事を書く前に、Siriに「アップテンポな歌流して」と頼んでいたのだが、途中でワンダイレクションが流れてきて懐か死してしまうところだった。
いまの大学生が小学生だったころ"一世を風靡した"ものとして、K-POPとか、洋楽とかから、いろいろ挙げることはできるけれども、1Dとかワンダイとか呼ばれていた彼らに、この表現が最も似合っていると思うのだ。
アーティストの活動休止にたいしては様々な考え方があると思うが、人気絶頂のなか活動休止した彼らはまさに風のようであったし、曲を聴きさえすれば、最も印象的な風として未だにそれを鮮明に感じることができる。その風のなかに、あのころ自分が考えていたことすらも感じることができる。
そういえば、"you don't know you're beautiful"という歌詞を最初に和訳したとき、ストレートすぎて自分の理解が間違っているのだろうかと思ったものだった。相手のことをこんなにも断定する歌詞を、私は知らなかった。
いまから完全に偏った意見を言うのだが、最近しゅきしゅきうるさい歌が多いのには本当に辟易している。気色の悪い。てめえの話はしらねえよ。滑舌見直してこいよ。