間ヒロの週末丁寧連載

ズボラ連載という一言矛盾を脱し、週一の丁寧を目指しています

河川敷でパンを食べるべきだ。

 

薄い文庫本がポケットに入ったとき「おっ」と思うよな

 

そんなわけで今日は芦屋をぶらぶらしていた。

梅田でいつも売り切れているDanielのカヌレ、本店なら食べられると思ったのだが、16時くらいに行ったら当たり前のように売り切れていた。

ケーキはいくつか残っていたが、そんな妥協はいやだと思い、もう一つ目星をつけていたビゴの店本店に向かった。まえに、叔父の車に乗っていたら横を通ったのであ!ビゴの店だ!寄りたい!と主張したところ、ああ、あそこは本店だね、とだけ教えてくれたのだ。いやいや、停めてくれやい。しかたないので今度ひとりで行こうと決めていた。 

ビゴの店で、なにやら硬そうなレーズンパンを買った。とってもお腹が空いていたので、ずっしりきそうなハードを選んだのだが、パクッといくつもりがガチッと音を立てて歯が負けそうになり、自分が買ったものが本当に食べ物だったか、置き物だったか、もう一度確認せざるを得なかった。食べ物だった。

ちなみにレジの横にカヌレが積まれており、よっぽど手が伸びそうになったのだが、それこそ妥協に感じてやめた。梅田のDanielは昼くらいに行けば買えるらしい。こうなったら意地で買いたい。

 

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芦屋川の河川敷で食べた。

白いサギがつーっと水面のすれすれを行き、きれいだなあと目で追ったら、潰れた声で鳴いたので、あっそうなんだと思った。ありていにいえば、失望した。

黒いカモの親子が、かわるがわるに、ぶるぶるぶるっと身を震わせていた。

私は仰向けになった。

別府で石菖の上に寝転ぶ蒸し風呂に入ったのだが、それと同じ匂いがしたので、これでいいじゃんと思った。なんと気持ちの良いことか。虫も気にならない。なぜならそこが彼らの正当なすみかであるからだ。こちらがお邪魔をしている側なので、蟻がよじ登ろうと、…なにがなにしようと、厭わない。(虫の名前が一切分からない。)

しかし、体感10秒も経たぬうちに、選んでいたひなたがひなたではなくなり、このままでは凍えて死んでしまうと飛び起きてひなたを探しに出た。
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…無いな〜。

無いんだけど、なんだかとってもいいな。

このすぐ横というか上には、車道と歩道が整然と用意されていて、信号システムの管理のもと、人は好きなところを歩けないし、急に座ったりできないし、寝るなんてもってのほかである。

しかし、この河川敷は、道路と並行しているのに、いや、平行だからなのか、上の世界の論理とはまったく別にできあがっていて、道路の干渉を受けない。まさに平行世界。彼岸と此岸、夢と現。

こちらの世界では犬の散歩をしている人とランニングをしている人が多かった。追いかけっこをしている子どももいた。

 

川があれば何もいらないな、と過激なことを考えた。

 

何も建ててはいけない。

東京ばかりを開発したがるのは、ある意味とても正しいのかもしれない。あの街はもう、、。手遅れなのである。反歴史的で、断片的で、経済という妄言に囚われた、アンリアルシティ。

 

そのあと、PAN TIME、ローゲンマイヤーというパン屋にぶち当たったので、それぞれチョコの入ったレーズンパンと、カレーパンを買って食べた。まさか三軒もはしごしているとは、誰も気づかなかったろう。。なぜなら、無意味だから。。


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夕陽デカあ。