妹と京都を歩いた。昨年GWの中之島以来である。
京都って、寒いし暗いし、わびしい感じがしてあまり好きじゃない。
さび=ヴィンテージはともかく、わび=質素の良さがイマイチ分からないのは、私がお子ちゃまだからだろうか。まだまだミニマリストなんかになる気はなく、キッチュでオリエンタルな香りに靡かれている。
わび・さびへの誇りより、舶来とか太古とかにロマンを感じる。初めて神戸に行ったときの心の煌めきは忘れないし、整然たる京都御所より、平城京の突き放すような巨大さに魅入られる。
さすがに(そうは言ってもやはり)、たまに行くと京都もいい。でもやっぱり寒い。今日はとくべつ寒かった。
それと、碁盤目状のまちにも向いていないのかもしれない。行き道と帰り道では風景を変えたい。
どこを歩いていても車が多い。大通りではひっきりなしにバスが来て、よくバスがつっかえている。
ずどんと抜けた目線の先に、いつも山があるのを、安心感ととるか圧迫感ととるか。
街全体が伝統を壊すまいとしているような窮屈さ、息苦しさを感じてしまうのは、案外保守な自分に対する嫌気みたいなものもあったりするのかもしれない。ないかもしれない。
ごちゃごちゃ言ったわりに、伝統の旗手みたいな桂離宮と伊根には行ってみたいのと、
京都の展示には惹かれるものが多いのが、またやっかいである。
御多分に漏れぬ。京都市考古資料館で前から見たかった展示が会期を終わろうとしており、昨晩重い腰を上げたのだが、その腰が下りぬよう「人との約束」が欲しかった。
試験期間で友人を誘うのも憚られたので妹を誘ってみたところ、「は?なんで?」と顔をしかめた直後に「私京都だったら南禅寺に行きたいんだよね」とまんざらでもなさそうにしていた。
妹は反社(反社交的。非社交的のpro版)でめったに出かけないので、散歩に興味がないのかと思っていたが、Googleマップに大量にピンを立てていたので驚いた。
「え、私行きたいとこめっちゃあるよ。YouTubeで代行旅行してもらってる」らしい。私には分からない感覚だが、それで楽しめるならコスパが良い。
ピンの中から、京都御苑と下鴨神社に行くことにした。「糺の森」の語感が良いので私もピンを立てていた。
話し合っていたら、姉が入ってきて「え!仲良さそうじゃん、珍しい!」と一人で盛り上がり、京都のごはんやさんとパン屋さんを大量に教えてくれた。
がしかし、御苑の切り株を机にしてマックを食べた。
電波がバグって電子マネーがバーコードに辿り着けず、妹が出してくれたのはここだけの話だ。
大学生と高校生の姉妹ないない①
妹が姉に京都でマックを奢る
大学生と高校生の姉妹ないない②
姉が「今すごくエビフィレオ食べたいからマックがいい」とわがままを言う
8割食べ終わったあたりで急に曇り始め、ピクニックと呼ぶには異常な寒空であった。
京都御所は綺麗すぎて、最後の再建が1855年という意味がよく分からなかった。まるで時の流れを感じられない。
庭園に出てなんだかほっとした。幾分か動きがある。
なんとも低姿勢な茂り方だ。
妹の口数が多いので、この辺でわたしはばててしまった。家族4人で、やっと捌ける口数なのだ。
大原女の白黒写真。いいものを見たので、ライフを取り戻した。
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八角九重塔!?角が72もある!!!!
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そして、大阪人にとって行こうと思わないと行けない場所第1位、、
京都駅!!
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テンションが上がってブレまくっている。ちょっと久しぶりなくらいの高揚感だ。
音に聞いていた大階段だが、あんなにデカいと思わなかった。写真で見る3倍くらいデカい。
中腹で寄り添っている2人がかわいくてえへへかわいいねえと言いながら写真を撮っていたのでまあまあしっかりと不審である。
ちなみにこの時点で妹は先に帰路についている。そういう姉妹だからだ。
大学生と高校生の姉妹ないない③
帰りが別
「せっかくだから上まで行ってみよう」と声を高まらせるおばさんたちに、「うん、そうですね!」と心の中で返事をしてついていった。
ええやん!
遠くに見える排煙がいい味を出している。
おばさんたちは、寒!もうええわ!と言ってすぐに帰ってしまった。
お腹が空いたので駅ビルでミルクフランスを買ったら、姉がオススメしてくれたパン屋さんの一つだった。冬のパンはハード&スイートにかぎるな…と大げさに感じ入る。
お土産に翌朝のパンを買う私は律儀だ。
鴨川上空を飛んでいるとんびが、私の上で美しく滞空したので、京都はやはりいいところであった。