間ヒロの週末丁寧連載

ズボラ連載という一言矛盾を脱し、週一の丁寧を目指しています

 

パジャマ

階段

夏の匂い

深く息を吸う 鼻腔をいっぱいにする
27℃、43%

家族は寝静まった

小さな灯りをつける


夏の匂いの正体 

夕立のあとのアスファルト

焼け落ちる蚊取線香

草はいきれにいきれ

熱っぽい湿り気を吐く木(モク)階段

 

人はお互い、全く違う匂いのことを思い浮かべながら「夏の匂い」と呼ぶのかと、青天の霹靂であった。

 

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元来、詩が好きだ。

 

 

 

見よ 今日も 白き雲ゆく
忘れいし よき歌の
かすかなる節に似て 青ぞらをゆく。
(中略)
我慕う ーーふるさとを持たざる者の
姉妹なる 天使なる 白きものらを。

ヘッセ詩集より「白き雲」

 

 

良すぎて舌打ちしちゃった。

 

「九月」

 

(略)
おもむろに 夏は
疲れた大きな眼をとじる。

 

 

夏の終わりの良さって、抽象的な言葉にできなかったけど、夏をやりきった!という心地よい 疲れ なのかもしれない。夏って本当、一年の山場って感じがする 夏のために生きてる 一番好きなのは秋だけど、秋のためには生きていない。

 

 

夏の雨も乙。
夜の濡れたアスファルト、街灯に照らされて花火みたいに次々に打ち上がる 目まぐるしいフィナーレ 帰路は終わる、止まる、惜しみつつ。