ソファに寝転んで温かい紅茶のマグカップをお腹の上に置いたら、ささやかだけどとても深い幸せを感じた。
きっちりかっちり三寒四温の日々、今日が四温なら、大阪環状線を歩いてみよう。
3月某日、鶴橋駅。
JRと近鉄が走っているだけあって、高架下が他にない盛り上がりを見せているのがこの駅だが、少し外れたところでも高架下が活用されていた。
それにしても、「自転車やめて歩こう近距離」とは、なかなかない標語だ。自動車やめて自転車に乗ろうとかいう段階はもう終わってるのか、この街?
これがもっと駅に近いところの焼肉街だが、少し歩いただけで焼肉行ってたんやね、いいね!という匂いが服に染みついた。行ってない、そんな目で俺を見るな。誤解だ。冤罪だ。住んだら毎日焼肉か、さすがに。どうせ匂うなら食べて帰った方がいい。ベジタリアンが住まない街、堂々の一位。26冠。住まない、住ませない、寄せ付けないの三原則。韓流好きのベジタリアンとか大変だな。
ところでイタチかフクロウかもっとやばい生き物か、上の方で何か獣がうごめいていたのはみなさんご存知なのだろうか。(この時友人といたので私の幻覚でないことは断っておきたい。)
3月某日、大正駅。
急に現れる南国ロード。
目的はこれである。渡し舟に乗れると小耳に挟んだのだ。
今日休航だったらどうしようなどと考えていたが、コンスタントに舟が出ている。
この距離か。思っていたより短い。
時間になると、乗務員のおじいさん2人と、自転車のおじさんとおばさんが3人現れ、ごく普通に舟に乗り込んだ。生活の足なのだ。
往きこそテンションが上がって川面など眺めたが、復路は友人と喋っていたらあっという間に終わってしまい、友人はやたらと悔しがっていた。生活に溶け込めた気がして私は満足だった。
幼い頃、金網にスズメがとまっているのを見て、どうやってくぐり抜けるんだろう、と思い、考えた末、くぐり抜ける瞬間だけ体がバラバラに分裂して、くぐり抜けたらバッと体が元に戻るので人間が気づいていないだけなのではないだろうか、という若干グロテスクな妄想をして自分でトラウマになっていたのだが、その伏線を回収できた。
かなり細くなれるようだ。
こんな面白い公園があってピンまで立てていたので行ってみた。
本当に山だったのでウケた。
皆さんも行ってみてください。
たぶん勿忘草? 土と雨の、懐かしい匂いがした。
足を伸ばすと、IKEAもある。ここからジェットコースターみたいな道路が見えるのも素敵です。
3月某日(全部これかい)。西九条から弁天町まで。
ここでは、川を渡る手段は渡し舟ではなく、トンネルだった。
自転車の人がたくさんエレベーターに乗り込んでいくので、私は階段を使ったところ、臭くてじめっとした階段が5階分くらいあって、こんなところで災害にあったら最悪だなと思った。人が多いので小舟では間に合わないのだろうが、毎日こんな頭の痛いトンネルを通っている人がいるとは驚きである。。知らないことが多い。
大通りを歩いていると、3台に1台がコープのトラックで、どこに迷い込んだのか、そういうシミュレーションゲームか?夢か?
トラックが行儀良く列を成し、コープの事業所と思しき黒い箱の横につけられていくのを見つけて謎が解けた。
川沿いだからか、トタンの工場、倉庫、でかい箱型の事業所が並び立っている。
これらの建物には窓がほとんどないので、ガソスタの街に開けた明るさに安心感を覚え、そのことに少し驚く。
道向かいにも小規模の工場が並び、割れた窓ガラスに火花がバリバリ反射し、そのたびに放射状の亀裂が怪しげに照らされている。しばらく立ち止まって見つめてしまった。
タバコ屋さんも何軒か見たし、
道に面してすぐワークスペースが見える(受付なんて無い)工場のような事務所のような建物がたくさんあった。
大通りを曲がって小道に入ると、甘いタバコの匂いがした。
「波除公園」という意味深な名の公園では桜がいつの間にか満開で、地元の小さな公園を思い出す。
高架下でテニスの壁当てをする中学生がいて、珍しいものを見た。
もう弁天町だ。